セリフに感情を乗せるには?嘘くさい演技とおさらばする方法

アニメ
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アニメなんかを見ていると、棒読みだなと感じたり、このキャラクターに合ってないんじゃないかと思うことがある。

この間も似たような事があって、友人と食事をして何が行けないのかを話し合った。

と言うのも、皆キャラクターに対して愛が足りていないのだ。
(これは見る側の話ではなく演じる側の話)

 

台本を渡されキャラクターを作ってきてと言われると、人はどうしても漠然としたものしか生み出せない。初心者は特にだ。

だからキャラクターに合っていないような声になるし、相手との対話のセリフであっても独白のような独り言になってしまう。

そして、その理由が分からずに多くの演者は悩みを抱えるのだが、それは決定的に妄想力が足りていないのだ。

 

 

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先ずはセリフを見てみよう。

「やぁ、君か。そろそろ来る頃だと思っていたよ。どうした?驚きのあまりに声も出ないか?」

このテキトウに作ったセリフをあなたならばどう読むだろうか?

ここにはセリフしかない。
他のヒントはない。

あるのはただの文字だけだ。

この時点では、初心者は絶対に感情のこもったセリフを言うことはできない。
そう。絶対に出来ない難しいことなのだ。

でもそれは恥じる必要のないことだ。
これからの文章を読んで貰えば、40%くらい感情のこもったセリフを言うことが出来る。

 

 

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まずは何を思ったか

先ほどのセリフを見てあなたは何を感じ取っただろうか。
この時点で何かを感じ取れたと言う人物は80%いないだろう。

むしろこんなセリフから何かを感じ取れと言う方が難しいものだ。

だからこそ、想像をするしかない。
「人物」「状況」「景観」「相手」「時間」「過去」「未来」

色々な事を想像しなければならない。
これは相当高度な事なのだ。

 

 

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人物を想像する

まずはセリフを言っている本人は誰なのかと言う事だ。

もしこのセリフを言ったことがあるなら、その時の自分を思い浮かべればいいけれど、そんなのは無理だ。
言ったことがある人なんか100%居ない。

だからこのキャラクターは完全にオリジナルで自分で仕上げるしかない。

この時注意して欲しいのは「なんとなく」で決めないで欲しい。
一度そうだと思ったら、それで決定することだ。

年齢

まずは「年齢」を決めてしまおう。
実は年齢なんてのは何歳でも良いのだけれど、さすがにセリフ的に3歳児が言うシチュエーションは想像しにくいと思う。

まぁ、不可能ではないのだけれど、なぜ不可能でないのかは後述する。

一般的にこんなセリフを言いそうなのは18歳からだろう。

先にも書いたが、年代で決めずに〇〇歳と具体的に決めて欲しい。

性格

セリフの人物はどう言う性格だろうか。
一番簡単なのは自分と同じ性格にすることだが、自分の性格をちゃんと把握しているのは難しい。

ここで役に立つのは漫画や小説の登場人物の性格やあなたの周りにいる人の人物を流用することだ。

こんな性格だろうと漠然としてではなく、こんな事が起きたらこう思うだろうなと具体的に決めて欲しい。

ポイントはそのセリフの時だけの性格だけでなく別のセリフや場面になった時の性格なんかも細かに設定する事。

表情

セリフを言っている時の表情はどうだろうか?
「喜」「怒」「哀」「楽」
それぞれ想像することは容易だが、「喜」で喋っていると思ったら、「微笑み」なのか「苦笑」なのか「爆笑」なのか「自嘲」なのかそれぞれ決めて欲しい。

多分微笑みながら言っているんだろうな
という曖昧なものではなく微笑んで言っていると決めてしまう。

他の感情にしても、怒っているならどれくらい怒っているのか?
泣いているのならどれくらい泣いているのか?

具体的に決めて欲しい。

話し方

性格と重複する部分も多いが、そのキャラクターがどの様な喋り方をするのかも決めて欲しい。
性格が細かければ細かいほど具体的な喋り方が見えてくる。

これも他人を参考にしたり出来るが、自分で考えなければならない部分も出てくるだろう。
それはそれで構わないが、「こんな感じ」と言うのではなく「絶対にこう喋る」と決めつけて欲しい。

格好

どんな格好をしているのかも決めてしまおう。
自分のお気に入りの服でもいいし、ウィンドウショッピングで見かけた気になる服でもいい。

まぁ、全裸でもいいけれど…。

装飾品や髪型などもここで決めてしまおう。
これはあなたが理想とする人間でいい。

イメージが浮かびにくければインターネットでウィンドウショッピングをしてみよう。
絵に描いてみるのも効果的だ。

動作

この人物がセリフを言う時、どう言う動作をするかを考えて見て欲しい。

性格と喋り方が決まっていれば、この辺はなんなく出来るはずだ。

動きまで想像するのが難しい時は性格や喋り方をもう一度考え直してみよう。

バックボーン

キャラクターの背景とよく言われる。
これはそのキャラクターがこれまで送ってきた人生だ。
特徴的な事を決めてそこを掘り下げていくのだが、これが意外に難しい。

簡単なのは、深い傷があって何故それが出来たかなど、身体的特徴から掘り下げる方法だ。

バックボーンは時々更新されていくので、深く考える必要はないが、特徴をもたせたらその経緯も考え欲しい。

相手

セリフを言う本人の設定が出来たら、今度は相手方となるキャラクターも作ってしまう。

これも本人を作るときと同じ工程で決めつけて考えていけばいい。

セリフと言うのは基本的に対話となるため、相手方のキャラクターが出来上がって居なければせっかく作ったキャラクターも霞んでしまう。

両方キッチリと設定する事で、キャラクターが確固たる意志を持った存在になる。

 

場所と時間

2人ぶんのキャラクターが出来たら、今度はどんな場所でいつ言っているのかを考えて欲しい。

今回のセリフには指定はないが、時々時間帯を指定しているセリフもある。
そう言う時は、場所をより深く考える様にしよう。

場所はこんな所と決めるのではなく、何県何市何町と具体的に決める。

時間帯も夕方という漠然とした時間ではなく、午前何時、午後何時と具体的に決める。

 

状況

時間と場所が決まったら、その時の状況を考えて欲しい。
例えば逆光で相手の姿が見えにくいや、相手が立ち尽くしているならどんな感じで立っているのかだ。

これを決める事で、よりキャラクターに深みが出る作業に移れる。

過去と未来

このセリフを言う時がスタートではない。
何かしらの出来事があって、行動があって、セリフがある。

更に言えばこのセリフを言い終わった時がゴールでもない。

相手の反応次第でこの後のセリフが続くだろうし、基本的には会話だと言うことを忘れないで欲しい。

だから、この先に見える未来があるはずだ。

人間は予測して居た事態に傾けようとするものだから、未来をどうしたいかを決めておけば自然とセリフに感情が乗る。

 

 

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作ったキャラクターをイメージしてセリフを読んでみよう。

それでは作ったキャラクターや状況や相手を踏まえて再びセリフを読んでみて欲しい。

「やぁ、君か。そろそろ来る頃だと思っていたよ。どうした?驚きのあまりに声も出ないか?」

どうだろうか。
キャラクターが出来上がる前と後ではかなり違った感じがするだろうし、演じやすくなったのではないだろうか。

この作業は本当に大事で基本的な事だが、教えてくれる人は少ない。

今のあなたならばこの後の展開も容易に想像出来るはずだ。

 

 

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決めつけること

多項に渡り私が常に書いてきたのは、漠然とではなく「決めつけて」と言う言葉を使った。

これは「こんな感じ」だと自分が自信を持てないからだ。
自分が自信を持って居ないのに、キャラクターが自信を持って言える訳はない。

だからどこか1つでも漠然としたものがあると咄嗟の事態にキャラクターが崩れてしまう。
だがキャラクターがちゃんと細かく出来ていればなにも動揺することはないだろう。

 

 

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まとめ

キャラクターを演じる中では、感情が乗っていないや役作りが出来ていないと言われることは多々ある。

それはキャラクターを漠然としか作っていないからだ。

そうではなく全て決めて作るのだ。
そう言うものがいくつもストック出来れば、演出家などにちょっと変えてと言われた時も対応出来る。

それ以上に、このキャラクターを作る作業が楽しくなってくる。

なんども言うが決めつけて作る。
それを何通りも試してみて、納得のいくものを披露すればいい。

あなたのキャラクターに息を吹き込むのは、この作業が必要不可欠なのだ。

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