ほぼ毎日電車が止まる。
原因は「痴漢」だ。
毎日のように誰々が痴漢の疑いで逮捕されましたと報道される。
実名でだ。
もちろん、その人の人生は大きく狂うことになるだろうし、これからの就職のアテもつかない。
しかし、これが冤罪であると言う可能性を誰も疑わない。
もしかしたら、その痴漢は冤罪なのかもしれない。
痴漢の事件
記憶に新しいのはホテル支配人だった男性が痴漢を指摘され逃走の後にビルの屋上から投身自殺した事件だ。
男性は容疑を否認していたが、周りはそれを認めようとしなかった。
またとある駅でも痴漢を主張する外国人女性が電車を止め、警察が容疑者の男性を任意同行するという事件もあった。
この事件は周りの人も冤罪であると主張していたが、なぜこのような事件が起こるのだろうか。
主張したもの勝ちの痴漢
痴漢は法令的には迷惑防止条例違反、もしくは強制わいせつとして処理される。
そして、異質なのが被害者の証言という状況証拠のみで裁判が進む。
裁判の大原則として、「疑わしきは罰せず」という言葉がある。
これは状況証拠のみでは被告人を罰することはできないとするもののはずが、こと痴漢においては無視される傾向にある。
つまり、痴漢ですと言う言葉を言った時点で、ほぼほぼ負けになるのだ。
「とりあえず駅員室へ」
痴漢を疑われると言われるのが「駅員室で聞きます」みたいな言葉だが、実はこれに応じてはいけない。
駅員室へ行くと言うのは、その時点で痴漢を認め鉄道警察隊による逮捕に同意したと認めてしまうことになるからだ。
駅員にはそれを説明する義務があるのだが、そう言った確認をせずにすぐに連行しようとする。
繰り返すが、ついて行ったら痴漢を認めた事になる。
現行犯逮捕と準・現行犯逮捕
逮捕権は警察にしかない。
しかもそれは裁判所から発行される逮捕令状があってこそ成り立つものなのだが、例外がある。
現行犯逮捕に限っては一般人でも行えると言う事だ。
しかし、現行犯逮捕の条件は被告人の身元が判明せず、「現行犯」であること。
第三者が現行犯逮捕する場合は、痴漢であれば被告人が被害者に触れている状況でしか逮捕できない。
仮に「痴漢です」という言葉を聞き、被告人が被害者に触れていなかった場合は準現行犯と言う扱いになる。
この場合、一般人には逮捕権がないので、鉄道職員たちに対して引き渡し等も出来ないのだ。
痴漢と言われた時の対処法
痴漢と言われた場合には、その場で身分証明書の提示をする事だ。
身分証明書をする事で一般人の逮捕権はなくなる。
また駅員が駅員室への同行を求めてきても、任意かどうかを確認しなければならない。
駅員側は駅員室へ連れて行けば逮捕となることは分かっているので、説明のない場合は違法となる場合がある。
またその場で弁護士に来てもらうなども有効的である。
痴漢の場合、起訴されれば90%有罪となる。
そうならない為には示談交渉などをしなければならないが、示談金目当てで実際には痴漢をして居ないにも関わらずでっち上げたりするなどもある。
これは虚偽親告罪又は詐欺罪に当たるものだ。
まとめ
電車の中。特に通勤時間や退勤時間の電車は満員電車になりがちな為、体が誰かと密着する事は珍しい事ではない。
そんな中で間違いを正す事はかなり難しいため、こちら側がそれ相応の知識を付けておかなければならない。
間違った正義感で人の人生を奪ってしまうこともある。
痴漢冤罪ではないが、取り押さえたことで死亡したりする人だっている。
犯罪の摘発は誰かを助ける事だが、同時に誰かの人生を大きく左右することになるのだ。
願わくば、間違った認識で他人を陥れる事のないようにして欲しい。
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