ゆっくり茶番劇についてのニコニコの見解を分かりすく説明する

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こんにちは!りのです。

前記事でも書いたように「ゆっくり茶番劇」の商標権問題については、ドワンゴがアクションを起こしてくれることが確定しました。

その上で、2022/05/20に発信されたニコニコ動画としての見解を分かりやすく説明していきたいと思います。長いです。

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ニコニコとしての見解

これはニコニコiofoにあるものを引用してきています。

見解概要

「【ゆっくり茶番劇】+動画タイトル」や「【ゆっくり劇場】+動画タイトル」のような動画をニコニコ動画に投稿いただくことは、当該商標登録にかかる商標権を侵害することはなく、問題はないと考えています。 

弊社が問題ないと考える例

「【ゆっくり茶番劇】私のモーニングルーティーン」という動画タイトル

「【ゆっくり劇場】俺のおすすめ商品TOP5」という動画タイトル

タグや説明文中、セリフでの「ゆっくり茶番劇」という文字列の利用

ゆっくりキャラクター等が登場する、各種の合成音声ソフトウェアを使った動画

東方Projectに関する動画

当該商標の商標権者から商標権侵害と主張される可能性があると考える例

「ゆっくり茶番劇 Part1」「ゆっくり茶番劇 Part2」や、「ゆっくり茶番劇 ①」「ゆっくり茶番劇②」等、「ゆっくり茶番劇」と同一または類似のタイトルの下に定期的に異なる内容の動画が投稿されている場合

「ゆっくり茶番劇」と同一または類似の文字列を、投稿者名やチャンネル名など動画の投稿元や提供元の表示として使用する場合

見解の詳細

1.「ゆっくり茶番劇」は特許庁に登録された商標です。

インターネット上で商標権を取得したと主張する柚葉氏(Twitter ID: @Yuzuha_YouTube)と商標権者が同一人物であるかについて弊社では確認が取れておりませんが、当該商標が特許庁に登録されている商標(商標登録第6518338号)であることは確認しております。 

2.「ゆっくり劇場」という文字列は、「ゆっくり茶番劇」とは異なる文字列だと考えます。

とくに「ゆっくり劇場」という文字列をタイトルに含む動画について、当該商標にかかる商標権を侵害するのではないかと心配している方がインターネット上に多く見受けられます。

弊社としては、「ゆっくり劇場」という文字列は「ゆっくり茶番劇」とは類似しない文字列であり、当該商標権の効力が及ばないものだと考えます。 

※弊社では、「ゆっくり劇場」をはじめとした365種の文字列について検討を行い、「ゆっくり茶番」、「ゆっくり茶番?」及び「ゆっくり茶番劇場」という文字列を除き、いずれも「ゆっくり茶番劇」とは非類似であるとの見解に達しました。「ゆっくり茶番」、「ゆっくり茶番?」及び「ゆっくり茶番劇場」という文字列も「ゆっくり茶番劇」とは非類似であると考えますが、商標を構成する多くの文字列が共通することから、類似と主張される可能性は否定できません。詳細は末尾の参考資料をご参照ください。

3.「ゆっくり茶番劇」をジャンルやカテゴリーの表示として使用する場合は、商標権の侵害にならないと考えます。

「【ゆっくり茶番劇】+動画タイトル」のように、「ゆっくり茶番劇」という文字列を動画のジャンル・カテゴリーの表示として使用しニコニコに動画を投稿することは、当該商標権の侵害ではないと考えます。

4. そもそも「ゆっくり茶番劇」は動画のジャンルやカテゴリー、動画の内容を示す表示として広く一般に使用されている文字列であるという認識であり、特定の企業や個人が独占すべき文字列ではない、と考えます。

商標が登録された2022年2月時点においても、「ゆっくり茶番劇」という文字列は、動画のジャンル・カテゴリーの表示として利用されるケースが大半だったと認識しています。そうした状況を考慮しても、商標として登録され、特定の企業や個人が独占することが不適切な表示であると考えています。

免責

なお、以上の文章は、法律事務所との相談を経たうえでの弊社の見解です。

「商標として登録が認められるべきかどうか」「ある使用例が商標を侵害しているかどうか」は、特許庁や裁判所がその事例ごとに個別具体的に判断する事柄です。将来的に審判や訴訟が行われた際、どのような法的判断が示されるかは不明であり、弊社が審判や裁判の結果を保証するものではありません。 

https://blog.nicovideo.jp/niconews/170666.html

上記の説明だけだと少し分かりづらいので、次から説明していきます。

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説明文としての語句に商標権は効果を発揮しない

概要に示されている

「【ゆっくり茶番劇】+動画タイトル」や「【ゆっくり劇場】+動画タイトル」のような動画をニコニコ動画に投稿いただくことは、当該商標登録にかかる商標権を侵害することはなく、問題はないと考えています。

上記についてですが、商標権と言うものは、その商品または役務(サービス)が、その人(企業)のものであると言う出所表示機能を確立するためのものです。

言い方が難しいところではありますが、今回商標登録されたのは「ゆっくり茶番劇」と言う商品であり、「ゆっくり茶番劇を解説する」と言うタイトルだとすると、それは別の人が作ったものだと分かりますよね。

次に「【ゆっくり茶番劇】私のモーニングルーティーン」の語句についてですが、種別やカテゴリの説明としても出所表示機能は働かないため、商標権の行使は難しいと考えられます。

これも言語化すると難しいのですが、「ゆっくり茶番劇」と言うタイトルについては商標権が発生します。

しかし、ジャンルとして「ゆっくり茶番劇」が使用された場合、それがその人のものとは認識しづらいと言うか、分からないですよね。

アメが降ってきた と耳で聞いたときに、「雨?飴?」ってなるようなものです。

つまり明確にその人のものだと分かるものでなければ、商標権を行使しても認められない可能性が高いです。

最後に「ゆっくり劇場」と言う語句に関してですが、完全に別物であると判断できます。

ゆっくり劇場と言う言葉では、今回商標権を取得した柚葉さんの動画ではない と言うことが判断されますし、柚葉さんが商標権を持っているものは「ゆっくり茶番劇」ですので、「ゆっくり劇場」に文句を言える立場にはないと言えます。

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商標権を侵害すると思われる事例

次に商標権を行使されそうなものですが、ニコニコとしての見解は以下になります。

  • 「ゆっくり茶番劇 Part1」「ゆっくり茶番劇 Part2」や、「ゆっくり茶番劇 ①」「ゆっくり茶番劇②」等、「ゆっくり茶番劇」と同一または類似のタイトルの下に定期的に異なる内容の動画が投稿されている場合
  • 「ゆっくり茶番劇」と同一または類似の文字列を、投稿者名やチャンネル名など動画の投稿元や提供元の表示として使用する場合

何回も言っているので、そろそろ耳にタコだと思いますが、商標権はその商品または役務(サービス)が誰のものかが分かることが大切です。

今回取得された「ゆっくり茶番劇」と言う商標は、いわば「このタイトルのものは私しか使っていないので、私の代名詞です」みたいなものですね。

バラライカの替え歌である「ヤラナイカ♂」で、この替え歌はいさじさんだな と分かるような名刺代わりになるようなものです。

無論、数々の歌ってみたが出てきましたが、初出は誰なの?となった際に、いさじさんだとみんなわかりますね。

商標登録は、そう言った事を簡略化してその人が最初だよ、その商品や役務については誰々に聞けばいいんだよ と言うのを確立した権利です。

「ゆっくり茶番劇」はすでに柚葉さんのものと、国が認めてしまいましたので、「ゆっくり茶番劇」と言う商品や役務は柚葉さんの代名詞 となるわけですね。

「ゆっくり茶番劇 1」と言うタイトルだと、類似性があるものとして、判断される可能性が高いです。

では、「霊夢と魔理沙のゆっくり茶番劇」と言うタイトルだとどうか… ですが、かなり判断が難しくここは裁判所や特許庁の判断になるかと思います。

ただし、霊夢と魔理沙は東方Projectのキャラクターであることが分かるので、著作権的に商標権が及ばない可能性もあります。(ここらへん、めちゃくちゃ難しいです)

霊夢と魔理沙のモーニングルーティン【ゆっくり茶番劇】であれば、前項で示したとおりジャンルとしての表記と判断できるため、商標権は及ばない可能性が高いと思えます。

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免責について

実際のところ、判断としては個別個別に裁判を行います。

ここが1番厄介なところであり、正直言いがかりのような言い分でも、それが裁判所に認められれば負けます。

私も基本的に文中では、思うや可能性が高い低いなど、明確な判断は避けるようにしています。

あくまでも、個人の感想に近い形です。

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そもそも影響が少ないと思われる理由

ロイヤリティを取るという発言で、皆憤慨していますが、基本的に賠償金を支払う場合は、その商品によって得られるはずだった損害金についてになります。

案件ごとに、その動画のせいで再生されるはずだった自分の動画の再生数が減った ことを示さないと行けないです。

つまり、1案件毎に、そう言った資料を集めて、期日に間に合うよう提出し、出廷して と結構道のりって遠いんですよね。

で、それを変わりにやってくれるのが弁護士さんなわけですが、相談着手金別で報酬額10%が基本的な報酬です。

例えば、相談料は1時間8,000円、着手金は10万から30万、500万の損害賠償に買った場合成功報酬50万。

もちろん、不可能ではないんですけど、個人で今後数百件出てくるであろう類似動画全てに訴訟を起こすって、皆さんやりますか?

基本的に商標権の行使は、損害賠償と言うよりはその商標の使用差し止めになります。それもまずは穏便にお願いする形が基本です。(いちいち裁判してたらお金がめちゃくちゃかかる)

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まとめ

今回はニコニコで示された見解を補足する形で書きましたが、まだまだ分かりにくい部分もあるかと思います。

私自身、今回のことがあって商標権について調べたからこそ、「確かにそう言う判断になるだろう」となっているだけで、しっかり裁判したらどうなるかは分かりません。

権利があるからすぐにお金を払わなければいけない と言うことではなく、最終的にお金を払わなければいけないかどうかも裁判所の判決に寄ります。

また実際に商標を争っても、権利者が負けるという事例もあります。

柚葉さんの強気な態度に気圧されて、心配されていた方も多いと思いますが、私は正直「ゆっくり茶番劇」についての危険はほぼないと考えています。

理由として、

  • 説明文やジャンルとしての表記に商標権は及ばない
  • 〇〇のゆっくり茶番劇 だと、商標権の侵害と判断されづらい
  • 個人で訴訟を起こすとしたら、当該動画が多すぎる上、先使用権も存在するため行動を起こしづらい
  • 「ゆっくり茶番劇」と言うタイトルだけでは、視聴者がなんの動画かわからない為、柚葉さん自身の動画は再生数が落ちる可能性がある
  • 「東方Projectまた別キャラクターの名前+ゆっくり茶番劇」の場合、別の権利者も絡んでくるため商標権は後回しにされる可能性がある
  • 「説明文+ゆっくり茶番劇」だとジャンルを表す言葉となるため、商標権の効力は及ばない

とまぁ、調べると分かるんですが、商標権って強い権利じゃないんですよね。

多分ロイヤリティの事からも考えて、著作権や肖像権と混同してしまった可能性が高いんじゃないかなと思います。

それかフランチャイズの例を取ったのかも知れませんが、柚葉さん自身の動画がバズらないと、そう言った使い方は難しいですねぇ。

まぁ、柚葉さんの主張を見る限り、私ともドワンゴとも違った概念として認識されているようなので、なんとも言えないところはあります。

私は今後の動きを見守ろうと思います。

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