吸血鬼のモデルとなった人物は、ブラド3世の他にもう一人いる。
それがハンガリーの貴族「エリザベート・バートリー」
彼女は、数々の少女を拷問し、その血を浴びていたと言われている。
処女の血を浴びると若返ると信じていた
ある時、粗相をした侍女を折檻したところ、その血がエルジェーベトの手の甲にかかり、血をふき取った後の肌が非常に美しくなったように思えた。そのことがあってから、若い処女の血液を求め、侍女を始め近隣の領民の娘を片っ端からさらっては生き血を搾り取り、血液がまだ温かいうちに浴槽に満たしてその中に身を浸す、という残虐極まりない行為を繰り返すようになった。その刑具として「鉄の処女」を作らせ、用いたと言われている。
この記述からも分かるように、彼女は少女の血を浴びると若返る
という思い込みから、数々の少女を虐待していく。
はじめは自分の屋敷の侍女
続いて、所領の娘たちを次々に誘拐
最後には「礼儀作法を習わせる」として貴族の娘にも手を出しました。
しかし、記述以前から侍女などに対するサディスティックな性格はあったようで
夫の死をきっかけとして、数々の男から相手にされないこともあってか
そのサディスティックな性格がエスカレートしていったのです。
彼女の夫は戦争で留守にすることがおおく
その間に彼女は数々の愛人を作っては情事にふけっていたというのですが
そういった美への羨望が強かったとも言われています。
数々の拷問具
彼女の寝室には、滴った血を吸い取るための灰が置かれていたと言われ
ムチ打ちや棍棒での折檻は優しい方で
内側に杭のついた鉄の鳥かごのようなものに入れて少女が動く度に苦しむのを眺めたり
鉄の処女−アイアンメイデン−という内側に針がついていて、閉じると針が入れた人間を襲う拷問具を作らせたりなどしていました。
更には、侍女に命令して被害者の指を切断したり、性器を切り取っていたとも言われています。
性的興奮が高ぶると、その肉を食べていたとうう資料もあるようです。
逮捕から幽閉
ルター派からの告発があったのですが、エリザベートは曲がりなりにも貴族
だから手を出せずに居たのですが、被害者が貴族の娘にも及んでくると
警察も重い腰を上げざるを得ませんでした。
彼女の被害にあった人数は本人は650人と言っていますが
裁判所で認められたのは80人という数字で
親交のあったハンガリー王に当てた手紙には300人と記されていたそうです。
彼女の犯罪に手を貸した使用人や侍女に対しては
死刑が執行されたものの、当時の体制では貴族を処刑することはできず
彼女は扉と窓を漆喰で塗り塞いだチェイテ城の自身の寝室に生涯幽閉されることになりました。
部屋の隅にはエリザベートが重罪人である証として絞首台が設置されていたと言われます。
幽閉から3年半後に彼女は死亡しました。
彼女と同一視されそうなダリヤ・サルトゥ
ロシアにもエリザベートと同じように貴族でありながら
自分の所領の人間を拷問にかける貴族婦人が居ました。
こちらは、若返りなどとは関係なく
単純に拷問を楽しんでいたと見られます。
しかし、多くの被害者は女性であったといいます。
宮廷のコネクションによりダリヤの犯行は裁かれることはありませんしたが
彼女の被害遺族がエカチェリーナ2世に嘆願書を送ることに成功させ
ダリヤ・サルトゥは裁かれることになりました。
彼女の犠牲者は138人にものぼります。
まとめ
エリザベート・バートリーはダリヤ・サルトゥと同一視されることも多く
その残虐性がどうしても目についてしまいますね
だからこそ、「カーミラ」などの作品にもモデルとして取り上げられます。
女性でここまでの人ってなかなか居ないんじゃないでしょうかね…(;´∀`)
あー、皇太后とかは、ワンチャンかなぁ
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