火アリと同じく海外から日本に侵入し、そのまま定着してしまった外来種。
その中でも特に有名な虫が「セアカゴケグモ」である。
セアカゴケグモは1990年代にオーストラリアからの輸入品によって日本に来たと考えられ
発見は大阪府であった。
その後は日本に広くに分布するようになり、特定外来生物として各自治体から注意を促されている。
セアカゴケグモの毒
セアカゴケグモは「α-ラトロトキシン」という毒素を持っていて、これは神経に作用する蛋白質系の毒素だ。
一度毒素が入ると、神経末端の神経伝達物質の放出を促した上で、その再流入をストップさせるため
機能系・運動系に不具合が起こり、いろいろな症状を引き起こす。
噛まれた直後には痛みはほとんどなく、時間の経過とともに噛まれた部分が強く痛みだす局所痛が起こる。
これを放置すると、全身症状が現れることもあり、全身筋肉の弛緩や嘔吐発熱など様々な症状をきたす。
以下は起こりうる腫瘍な症状だ。
嘔気、嘔吐、発熱、不眠症、めまい、頭痛、全身の発疹、高血圧、下痢、喀血、呼吸困難、排尿困難、重度の開口障害、食欲不振、眼瞼浮腫、全身の関節痛、全身の震え、不安感、羞明、流涙、精神異常、徐脈や頻脈、括約筋のけいれんに続いて起こる尿閉
ただし全身症状が現れることは稀であり、その発生も噛まれてから12時間程度と言われる。
さすがにその頃には局所痛で病院に駆け込んでいる人がほぼ全員であろう。
セアカゴケグモの毒によってアナフィラキシーショックは起こらないので、適切な治療を受ければ死ぬことはない。
よく勘違いされるが、苔グモではなく後家グモ
背中の模様が苔に見えるからゴケグモなのだろうと誰もが思うだろうが漢字で書くと、後家グモとなる。
これは噛まれたものがその強い毒性で死に、後妻に入るという逸話から来ているものだ。
また、ゴケグモ科の多くは生殖後にメスがオスを捕食する場合が多いことも上げられている。
生息地
生息地は、今や世界中に広がっているが、元々はオーストラリアに生息するものであった。
1995年に大阪府で発見されると、2015年までにほぼ全国各地でその姿が見られるようになった。
オーストラリアなどでは、人家の庭先などに巣を作り、他の昆虫を捕食する。
日本では、墓地、埋立地、道路に沿った側溝などに密集して生息しているが、アパートの溝などにいることもあり
時々動画などで話題に上がることがある。
対処法
駆除にはステロイド系の殺虫剤が有効とされていて、タマゴの場合は潰すか燃やすのが効果的である。
素手で触ると噛まれる危険もあるので、セアカゴケグモを発見した場合は保健所や各自治体に連絡を取り駆除してもらおう。
もしも噛まれてしまった場合はすぐに病院に行き、セアカゴケグモにも噛まれたことを伝えよう。
基本的には血清を打つことで治療となる。
ただし、子どもがセアカゴケグモに噛まれた場合など診断が難しい場合もあるので、
外で遊ばせた子どもが局所痛を訴えたり、腹部に圧迫がない時に腹部硬直などで痛みを訴えた場合は
セアカゴケグモによる毒を疑う場合もある。
まとめ
姿だけを視ると非常にオシャレで中二心をくすぐるクモなのだが、
発見された場合は各自治体ですごい警戒網が敷かれる。
私も小学生の時にこの蜘蛛が発見されて、学校が一時期騒然となったのを覚えている。
この蜘蛛は元々日本には存在しない生物で、生態系への影響も懸念されるため、残念ながら駆除するほか無い。
もちろん、日本にいるからこそ警戒は怠ってほしくはないが、オーストラリアに海外旅行に行ったときにも気をつけて欲しい。
元々はオーストラリアの原種であるため、そりゃ居ますよねって言う話だからね。
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